『トンネル 闇に鎖された男』あらすじ感想:崩落事故より絶望したものは…




自分が運転している車がトンネルの崩落事故に巻き込まれたら…

もし救出を諦めると言われたら…

 

『トンネル 闇に鎖された男』はハ・ジョンウ主演の映画。突然トンネルの崩落事故に巻き込まれてしまった男とその妻、そして政府や救助隊など事故を取り巻く様々な視点を描いた作品です。

本国では700万人を超える動員を記録しています。

 

以下、『トンネル 闇に鎖された男』のレビューです。



トンネル 闇に鎖された男 作品情報

https://movie.naver.com/movie/bi/mi/basic.nhn?code=141104

原題 터널
(トンネル)
公開年 2016年
キャスト ハ・ジョンウ、ペ・ドゥナ、オ・ダルスほか
上映時間 126分

 

 

トンネル 闇に鎖された男 あらすじ

キア自動車ハド代理店で自動車ディーラーとして働くイ・ジョンス(ハ・ジョンウ)は娘の誕生日のためにケーキを買って自宅へと車で向かっていた。

 

その道すがら、8台購入してくれるという大口契約の電話が入り意気揚々と家路を急ぐジョンスだったが、ハドトンネルを走っていたところで、急にトンネルが停電する。

 

少しすると電気がついたが、目に入ったのは轟音とともに瞬く間に崩れていくトンネルの天井だった!

 

崩落に巻き込まれながらも奇跡的に一命をとりとめたジョンス。しかしすぐに救助されるだろうと思っていた期待は無残にも打ち砕かれて…。

 

トンネル 闇に鎖された男 キャスト

イ・ジョンス(ハ・ジョンウ)

キア自動車ハド代理店で自動車ディーラーとして働いている。娘の誕生日に家に帰る途中でトンネル崩落事故に巻き込まれてしまう。車の中にあるのは娘のバースデーケーキとペットボトルの水2本、そしてバッテリーが78%残ったスマートフォンだけ。

 

セヒョン(ペ・ドゥナ)

ジョンスの妻。トンネル崩落事故に巻き込まれたイ・ジョンスの妻として一躍注目をされることになるが、状況が厳しくなるにつれ批判にさらされる対象にもなる。夫の生存を信じてラジオを通じて毎日呼び掛ける。

 

デギョン(オ・ダルス)

ハドトンネル崩落事故の救助隊長。話題性に飛びつくマスコミやパフォーマンスありきの政府に対して、疑問を呈し、真摯にジョンスの救助に取り組む。

 

チェ班長(チョン・ソギョン)

救助班をまとめるリーダーの一人。ジョンスの妻をねぎらったり、皆が不平を漏らす中で説得したりとデギョンと同様に救助への思いは強いが…。

トンネル 闇に鎖された男 ちょっとネタバレ


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最後までネタバレはしないものの、作品のストーリーをあらすじよりも細かく紹介していますので、この先ご注意ください。

 

ガソリンスタンドで給油を待っているイ・ジョンス(ハ・ジョンウ)。

 

店員は年老いていて動きもぎこちなく不慣れな様子。ジョンスはそんな店員へ「焦らないで」と声を掛けて車に乗りこむ。

 

給油を終え「満タンで9万7000ウォンです」と店員は告げたが、ジョンスは3万ウォン分だけ入れてほしいと頼んでいたのだった。

 

ガソリンスタンドの店主が老人店員に「またか、だから補聴器をつけろと言ったのに」と怒鳴りつける様子を前に「満タンで構わない」とジョンスは全額計算をしてあげることに。

 

清算が終わって出て行こうとすると、年老いた店員が走り寄り、ペットボトルの水を2本渡してくれる。ありがとうと言いながらも水を雑に後ろの席に放り投げるジョンス。

 

帰りの車中、ファストフードのポテトを食べながら妻セヒョンに電話をしていると、車のナビからは「この先トンネルです」というアナウンスが流れる。

 

大きな契約がまとまりそうだったが、相手が他社とも渋り始めたこと、娘スジンの誕生日ケーキは買ったこと、誕生日プレゼントは何にするかなどよくあるたわいもない会話をしていると、大口契約を進めている会社の社長から電話が入る。

 

電話は車を8台購入するという内容だった。月曜日に契約をするということで話がまとまったころ、車はハドトンネルに差し掛かる。

 

車両代金は全部でいくらになるかと聞かれ、今運転中でトンネルを抜けたらまた連絡するということで電話を切るジョンス。

 

大口契約にガッツポーズで喜びながらトンネルを走っていると、突然「カーン」という大きな音が後方から聞こえ、ミラーで後ろを確認するが何も変化はない。

 

しかし、何かただ事ではないような不気味な雰囲気を感じたまま走っていると、突然トンネル内の電気が消えてしまう。

 

急な出来事に一瞬ブレーキを踏み「何だ?」と驚きながらもライトをつけて進むジョンスの車。しばらくするとトンネル内の電気が復旧する。

 

しかし、電気がついて目に入ったのは、どんどんと崩れてくるトンネルの天井だった!ジョンスの車は走り続けたが目の前の天井が崩落し、ジョンスはトンネル崩落事故に巻き込まれてしまう。

 

意識を取り戻したジョンスは手探りで車の室内灯を点ける。奇跡的に運転席のスペースはつぶれることなく、擦り傷程度で済んだものの、少しずれていたら体を貫通していたであろう鉄のボルトや針金、落石がすぐ横にあるのが目に入る。

 

ジョンスは充電コードをたぐり寄せ、スマートフォンを手に取る。液晶は一部割れているが操作は可能で、すぐに119に通報をする。

 

しかし、電波が入らず電話はつながらない。何とか手を伸ばしてかすかに電波の入るところから再び電話を掛けトンネルが崩れたと伝えるものの、「車に落石が当たったのか?」「安全なところで待機していて」と一向に深刻には取り合ってもらえず電話を切られてしまう。

 

スマホのライトで車内をぐるりと照らし、さっきガソリンスタンドでもらった水1本を「満タンにしてなきゃ通り抜けてた」と悪態をつきながら一気に半分以上飲むジョンス。

 

119の通報を受けて現場に向かった救助隊は、崩落し入口さえ分からなくなったトンネルを前に絶句し、トンネル崩壊事故は一躍トップニュースとなる。

 

スーパーで買い物を終えてエスカレーターに乗ったジョンスの妻セヒョン。上から吊り下げられたテレビモニターでトンネル崩落事故のニュースが流れているのが目に入る。

 

「自動車会社に勤務している38歳の男性が閉じ込められている」というキャスターの声に嫌な予感がしてエスカレーターを逆走してテレビモニターを見るセヒョン。

 

「閉じ込められたのは38歳の男性イ・ジョンスさんです」と繰り返すキャスターの声で自分の夫がトンネル崩落事故に巻き込まれたことを知る。

 

一方、閉じ込められたジョンスのスマホが鳴る。一度は取り損ねてしまったが、着信履歴を見てみると40件以上の着信があり、ほとんどが知らない番号からだった。

 

すぐさま、また知らない番号から着信があり電話を受けてみると、テレビ局からの電話でこの通話を生放送しているのだという。

 

救出作業が長引きそうだ、何か食べ物はあるのか?という記者からの問いかけに「すぐに救助ができないとはどういうことか?」と焦りながら聞き返すジョンス。

 

記者は「ソウル側のトンネルが全壊していて救助には時間がかかりそうだ」「今のお気持ちは?」などと感情を逆なでる返答や質問ばかり繰り返す。

 

救助隊長であるテギョンはスマホのバッテリーが命綱であるにも関わらず、意に介さず無神経な接触を繰り返すテレビ局に対して「放送と人命のどっちが大事なんだ?」と怒りをあらわにする。

 

先程のテレビ局からの電話で外の状況を知ったジョンスから救助隊へ半ばパニック状態で電話がかかってくる。テギョンが何とか興奮状態のジョンスを鎮め、状況が簡単ではないこと、時間がかかりそうだという事を説明する。

 

そしてスマートフォンのバッテリー残量、車内に食べ物や飲み物があるのかを確認するテギョン。車内にあるのはバッテリーが78%のスマートフォン、500mlのペットボトル2本と生クリームのケーキだけ。

 

テギョンは救助まで1週間と想定し、水に口は付けずに少しずつ飲むこと、毎日正午に電話するのでスマホのバッテリーは切っておくことを伝え、ジョンスのいる位置を確かめる。

 

ジョンスは記憶があいまいながらも入り口からしばらく進み、カーブを抜けたあたりで事故に遭ったと説明し、目の前に送風機がある事を伝える。

 

妻セヒョンからも電話が入り、極限状態にありながらも娘スジンにケーキと誕生日プレゼントの犬を買って帰ると約束したジョンス。

 

しかし、1週間で救出されるという期待は脆くも崩れ去って――。

 

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トンネル 闇に鎖された男 見どころと感想

この作品の見どころは

・パフォーマンス化する事件
・極限状態での他人に対しての行動
・世論の手のひら返し

の3つだと思います。

 

例えばあらすじの中にも書きましたが、トンネル内に閉じ込められているという被災者に対してどこからか電話番号を仕入れて電話をかけ、その様子を生放送で流すというエピソードがあるように、事件をある種パフォーマンスのように扱うシーンというのが多々出てきます。

・崩落の危険があるトンネル内部にドローンを飛ばすシーン
・長官視察の写真撮影のシーン
・ヘリコプターに乗り込むシーン

などなど、この映画の皮肉にも笑えるポイントではあるのですが、実際にやられたらたまったもんじゃない!という非常識な行動が山のように出てきて「そんなこといいから早く救出を」と何度思ったことか…。

 

また、中盤にかけてトンネル崩落事故に巻き込まれたのはジョンスだけではないということが分かります。その時にただでさえ少ない大切な水を分けてあげられるか、バッテリー切れの心配な電話を貸してあげることができるのかという揺れる心情も見どころの一つだと思います。

 

https://movie.naver.com/movie/bi/mi/photoView.nhn?code=141104

そして救助作業が遅々として進まないまま、ついに頼みの綱だったスマホのバッテリーが切れ、そこから世論も生還はもう絶望的だろうという諦めムードが漂いはじめたころに、ある決定的なきっかけでジョンスの家族が非難される事態となってしまいます。

 

そして夫の生存に一縷の望みをかけていたセヒョンは苦渋の決断を迫られ、ジョンスの救助のために中断されていたハド第二トンネルの建設工事が再開されることになって…。

 

ラストシーンのジョンスの一言に私たち視聴者のこの映画への想いが詰まっていると思うので、ぜひ聞き逃さないように見てみて下さい…!

 

『トンネル 鎖された男』はHuluとAmazonプライムビデオで視聴可能です。